"紙"vol.1

パピルスと羊皮紙

 

パピルスpapyrus)というのは紙(paper)の起源にもなったもので歴史の授業で聞いたことがあるレベルの紀元前2,3000年前からあるもの。記録用として使われ始めた。

 

パピルス草の繊維を薄く切って叩き伸ばし、しばらく水につけておいてから、格子状に並べてプレスして乾燥させて作る。(1)

(参考文献1にすごくわかりやすい写真が載っているのでご参照ください)

しかしセルロースはたくさんの水酸基を持っていることから湿気のあるところでは腐敗が進んでしまう。

f:id:carrot1306:20190927212130p:plain セルロース

 

そこで、親水性の少ない(2)コラーゲンをもとにした羊皮紙が記録媒体としてのちに使われるようになる。(羊皮紙は皮を伸ばして乾燥させたもの)

コラーゲンはGly-X-Y(XにはPro、Yにはヒドロキシプロリンが多い)のアミノ酸の繰り返し構造が三重構造をとったもの(3)。

f:id:carrot1306:20190927212443p:plain Gly(グリシン

f:id:carrot1306:20190927212548p:plain Pro(プロリン

f:id:carrot1306:20190927212652p:plain ヒドロキシプロリン

 

上のアミノ酸に存在する水酸基はポリマー化するとなくなるから、ポリマーは親水性が少なくなる。三本鎖になるのは疎水性相互作用。

 

 

参考文献

1. 羊皮紙工房、http://www.youhishi.com/study.html(参照日:2019.9.27)

2. 北海道大学、コラーゲンの利用例、https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/35458/1/11_p4-7.pdf(参照日:2019.9.27)

3. コラーゲン様三重結合ペプチドを利用した生化学研究、http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/10/82-06-03.pdf(参照日:2019.9.27)

4. 図はwiki