2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

"FOOD"vol.3

Aquaponics 水産養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を組み合わせた栽培方法。 1970年代できた言葉だがそのルーツは西暦1000年ごろのメキシコ原住民が川で植物を育てていたことだと言われている(1)。 Aquaponicsの主要構成要素は3つ。魚・植物・微…

"紙"vol.3

バイオマス発電 日本では2.3%の電力がバイオマスでまかなわれているが、その大部分は紙製造の際にでるリグニン(木の構成成分のうち分子配列規則性がなく除去される)の廃液、黒液 や廃木材。 これらを直接燃焼しその熱で水を蒸発させてタービンを回す。 発…

"紙"vol.2

富士フィルムのV字回復の裏側 写真フィルムで有名な富士フィルム。光をまっすぐに運び綺麗に発色するフィルムを作るための確固としたフィルム技術を磨き続け、それを時代の流れに合わせ液晶技術に積合せて応用したことにより衰退しつつあるフィルム業界では…

"紙"vol.1

パピルスと羊皮紙 パピルス(papyrus)というのは紙(paper)の起源にもなったもので歴史の授業で聞いたことがあるレベルの紀元前2,3000年前からあるもの。記録用として使われ始めた。 パピルス草の繊維を薄く切って叩き伸ばし、しばらく水につけておいてか…

"FOOD"vol.2

腸内細菌と免疫 改めて、腸内細菌:町内で生息し、あるいは腸菅内で増殖する常在細菌。(1) 腸内細菌は作用によって3種類に分類される。(2) 善玉菌→ビフィズス菌、乳酸菌(ビタミンの合成、消化吸収の補助、感染防御) 悪玉菌→ブドウ菌、大腸菌有毒株(腸内…

"FOOD"vol.1

食と健康 曖昧になりがちな二つの関係。 コネクターの一つとして働くのは腸内細菌。私たちがどう感じるかどう振る舞うかを決める神経伝達物質のうち、90%が腸から産出されるものがあるくらいで、腸は第二の脳とも言われる。その腸や腸内細菌の様子は食事から…

"貝"vol.8

構造的強度 今日は友達のコメントを参考に✨ vol.7で、貝の構造には柱状の部分と板状のが交互に重なった部分があることがわかった。各々どのような利点があるのか。 ダンボールの積み方を参考に考えてみると、 途切れ目のない柱状構造は上からの圧力に耐えう…

“骨”vol.4

関節痛 関節痛の原因は主に2種類 1. 継続的負担(加齢や過酷な運動など)による軟骨のすり減り(1) 2. 自己免疫異常による骨、軟骨の破壊(2) 1について、立っているときはほぼ全ての体重が膝の関節にかかる。また筋肉の衰えとともに関節への負担も増える…

"骨"vol.3

軟骨 軟骨には血管もリンパ腺も通っていないことから、骨と比べてヒーリング能力が低い(1)。 そのため軟骨の以上に対する様々な治療法が考えられているが、その時にポイントとなっているのは、ヒドロゲル。たくさんの水を蓄えることができる高分子。三次元構…

"骨"vol.2

関節の形状と軟骨 関節の形状 関節には3種類(1) 不動関節:動かない。頭蓋骨に多い。 半関節:骨同士が軟骨で連結していて、数ミリの範囲で動く。 可動関節:凸と凹の骨の部分が連結していて、動くことができる。可動部と不動部の形(球状か円盤状か、馬の鞍…

"骨"vol.1

骨の主成分と種類 成分 60%ヒドロキシアパタイト(前回分参照) 10%その他無機成分 20%有機成分(主にコラーゲン) 10%水 (1)(2) 骨は骨芽細胞により作られる。この時血液中のカルシウムをとりこむ。 そして破骨細胞により溶かされ、カルシウムは再び血液中…

"貝"vol.7

CaとPO4が混ざった結晶 歯などにはPO4イオンなども含まれている。 CaCO3に様々な結晶多型があったように、この結晶にも、組成や結晶構造が違うものがある。 Octacalcium phosphate(OCP):Ca8H2(PO4)65H20 Hydroxyapatite(HAp):Ca10(PO4)6(OH)2 結晶構造…

"貝"vol.6

貝殻の構造 貝の部分にも2種類ある。CaCO3が柱のように並んだ綾柱層の部分と、板状のものが重なった真珠層の部分。名前の通り、いわゆる真珠や貝のキラキラした中の部分は真珠層。 (1) 貝の主成分はCaCO3であるが、その強度は純粋なCaCO3結晶の2000倍以上。…

"貝"vol.5

アモルファス 結晶構造を取らない、原子のならびに周期性をもたない固体をアモルファス、といい、ガラスやゴムがその例である。(1) しかし最近、アモルファス中にも微視的な周期性(2)や、飛ばし飛ばしの周期性があることが知られている。(3) (3) (3) 金属酸…

"貝"vol.4

結晶多型 前回は、CaCO3に様々な結晶の種類があることをみた。 結晶の種類が違うとどういう性質の違いに繋がるのか? 結晶多型:同じ化学式で結晶構造が違う物質。 結晶構造はその生体利用率・溶解速度・安定性などに影響するため、製薬業界などでは結晶多型…

"貝"vol.3

CaCO3の結晶構造 貝の主成分の一つであるCaCO3には様々な結晶構造がある。 どの結晶構造が有利かは、結晶成長の環境、例えば、周りの水分子の状態や基盤結晶によって決まる(1)。 同じ貝の中でも、場所によってこの構造が使い分けられている。 それぞれの構造…

“貝”vol.2

貝ヒモ、真珠、の正体 貝ヒモは、貝側の内壁用のカルシウムを分泌するところ、別名外套膜だった! その外套膜が偶然破れて体内に入り、養分を吸収しながら袋状になった構造を作り、その中で形成されたものが真珠! 自然のパールはいびつな形になるため、養殖…

"貝"vol.1

貝殻の構造 貝は軟体動物門に属する。分類は以下のよう。(1) つまり、普通に見かける貝には2種類ある。二枚貝網と巻貝(腹足)網。 その成長表面、貝殻の一番内側の表面のミクロな構造はかなり違っていた。貝殻は、炭酸カルシウムと有機物の複合体であるが、…

"色"vol.5

色のいろいろ 1. LED信号機 以前紹介したように、LEDではP型とN型のエネルギー差にあたる特定の波長のもののみが発光するので、特に色覚障害者などに対する色による見えやすさに大きな差がある。そのため黄色の信号は1.5倍明るくなっている。(1) 2.ヒオウギ…

“色”vol.4

エコな染色方法 染色のプラント内では染色過程や最後の処理過程で大量の水を消費する。 毎年700,000tの合成染料が世界で生産されるのに伴い20,000tが廃液として捨てられており、これらの廃液中の成分には外からの刺激に強いが適切な処理をせずに流されるため…

"色"vol.3

塗料 塗料は美しく綺麗に見せるためだけではなく物をサビから守る働きが必要であったり、物を染める過程でも簡便性が求められたりしており、塗料には様々な合成染料が含まれている。 環境への負荷を減らすため、昔のように自然由来のもので染物をしている企…

"色"vol.2

呈色するとは? 色を出すものには大きく分けて二つ、a.自分で光るもの・b.光を当てると色を出すもの、がある。 aはレーザーやLEDなどの光源、炎色反応など(1)、つまり電子の励起状態と基底状態のエネルギー差を可視光域の光として出すもの。 bは基本的に白色…

"色"vol.1

顔料と染料 服や看板などの色をつけるものには2種類ある。 1.顔料 色のついた細かな粒子状の物体を樹脂(接着剤)の力で物質表面に付着させる。(1) 接着剤の樹脂は、昔は、アクリル樹脂(アクリル酸エステルかメタクリル酸エステルの重合体)が主流であった…

“明かり”vol.2

白色LEDを作るには 光の白色は、色んな波長の光が混ざったもの(色素の場合はあらゆる波長を吸収することになるから絵具を混ぜると黒になる?) 白色の光を作るには2つの方法があり、(1) 1. 青色LEDと黄色蛍光物質 青色と黄色は補色の関係であり、青の光は…

“明かり”

明かりについてのまとめ LEDは第4世代の明かり(1) ろうそく→電球→蛍光灯→LED 光エネルギーのもとをそれぞれ簡単に。 ろうそく: 燃焼のエネルギー 電球: 熱に強く電気抵抗が大きいタングステンの電気抵抗のエネルギー(2) 蛍光灯: タングステンから飛び出た電…

"たね"vol.5

たね関連研究紹介✨ 種子は次世代の成長のためにリンを大量に貯蔵。大部分はフィチン酸として蓄積。 そのフィチン酸はカリウム・カルシウム・鉄などのの金属ともイオン結合するため、金属貯蔵物質としても働く。(1) ↓フィチン酸 これはちょうど、貝殻でアクリ…

"たね"vol.4

播種の前にはいろんな”たね加工”があった! 播種効率化、収穫効率化のために様々な加工が播種前のたねになされて販売されているようです 1. ペレット種子 種子を均一な大きさの急にするために、種子の周りを天然の粘土鉱物で覆ったもの。 2. フィルムコート…

"たね"vol.3

育苗法について。 無断で登録された品種を種苗することが禁止された。元々は日本独自のたねが海外に流出するのを防ぐために設けられたもの。 しかしだんだん適用品種範囲が広くなっていて、たね業者の権利独占だとの否定もある。 参考文献: 農水省、http://…

"たね"vol.2

ミトコンドリア遺伝子 植物は、核・ミトコンドリア・葉緑体のゲノムによって遺伝情報をコードしている。そしてそれらは相互作用しあってタンパク質を作っている。(1) 前回述べたようにこれを利用したのが雄性不稔のF1種の栽培。 今ではミトコンドリアDNAの何…

“たね”vol.1

たねについての知識をまとめてみる F1種: Filial 1 hybrid の略。直訳すると、交配して1世代目の子孫。つまりF1種の子供はF2種。 雄性不稔: 花粉をつくらない種。 花粉をつくらせない遺伝子をもつミトコンドリアとミトコンドリアの遺伝子の働きを抑える核を…